Last Updated on 2025年12月30日 by sakura
はじめに
ぎっくり腰(急性腰痛)になると、突然強い痛みに襲われ、身動きが取れなくなることがあります。
患者さんの多くが、
- 「横になっていた方が治るの?」
- 「動くより安静にするべき?」
- 「睡眠が大事って聞くけど、本当?」
と疑問を抱きます。
実は、ぎっくり腰の回復には“良質な睡眠”が欠かせません。
しかし、同時に「横になりっぱなし」は逆効果になるため、ここを明確に分けて考える必要があります。
今回は、ぎっくり腰に睡眠が必要な理由と、安静との違い、正しい休み方について解説します。
ぎっくり腰はなぜ起こるのか?
ぎっくり腰の多くは、
- 腰の筋肉・靭帯への負担の蓄積
- 長時間の悪い姿勢
- 急な動作による筋肉の過緊張
- 筋疲労による炎症反応
といった要因が重なって発生します。
発症後は、腰周囲に炎症が起こり、身体がこれ以上動かさないように筋肉を固める防御反応を起こします。
この炎症と筋緊張を落ち着かせるために必要なのが 睡眠による回復モード です。
睡眠がぎっくり腰の回復を早める3つの理由
① 深い睡眠で「修復ホルモン(成長ホルモン)」が出る
深い睡眠(ノンレム睡眠)では、組織の修復を促す 成長ホルモンが多く分泌されます。
これは、ぎっくり腰の回復に必要な
- 筋肉や靭帯の修復
- 炎症の沈静化
- 回復スピードの促進
といった働きを担っています。
② 身体が「回復モード」に入り炎症が治まりやすい
睡眠中は身体が活動モードから休息モードに切り替わります。
この間、免疫反応や組織の回復が進みやすく、炎症が落ち着く準備が整います。
※ただし、「筋肉がゆるむ」と断言するのは適切ではないため後述します。
③ 睡眠不足は痛み・炎症・筋緊張を悪化させる
寝不足が続くと、ストレスの働きによって、
- 筋肉のこわばり
- 血流低下
- 痛みの増幅
- 回復の遅延
といった悪循環が起こり、ぎっくり腰の治癒が遅れてしまいます。
「睡眠」と「横になりっぱなし」は全くの別物
ここが最も誤解されやすいポイントです。
● 睡眠
→ 体が回復モードに入り、修復が進む 必要な時間
● 横になりっぱなし(安静すぎ)
→ 動かないことで筋肉が固まり、血流が悪くなり 治りが遅れる
ぎっくり腰治療ではこの2つをしっかり区別する必要があります。
◎ 長時間同じ姿勢でいると…
睡眠と違い、ただ横になっているだけの状態では、
- 体温が下がる
- 血液循環が低下する
- 関節・筋肉が固まる
- 起き上がる時に痛みが強くなる
といったことが起こりやすく、逆効果となります。
そのため、“よく眠る”ことは重要ですが、“横になり続ける”のは治癒を妨げるのです。
睡眠中は筋肉がゆるむ? → 実際は少し違う
一般的に「睡眠中は副交感神経が優位になり筋肉がゆるむ」と言われますが、
実際には、
- 体温が低下し
- 動かない時間が続き
- 関節や筋肉がこわばる
という側面もあります。
特にぎっくり腰では、朝起きた時に痛みが強くなるのはこのためです。
つまり、
睡眠は回復にとって必要だが、“筋肉が柔らかくなるわけではない”
ということです。
ぎっくり腰におすすめの寝方(痛みを減らすコツ)
◎ 仰向け+膝の下にクッション
腰の反りが軽減し、筋肉の緊張がやわらぎやすい姿勢。
◎ 横向き+抱き枕
痛くない側を上にして、脚を軽く曲げて抱き枕を使うと腰のねじれが少なくなります。
避けたい寝方
- うつ伏せ寝
- 体が沈む柔らかすぎるマットレス
- 痛みを我慢して無理な姿勢のまま固定する
うつ伏せは腰を反らせ、炎症を悪化させやすいため避けましょう。
「よく眠る」+「適度に動く」が最も回復が早い
睡眠はぎっくり腰の回復に不可欠ですが、
治すためには適度な“動き”も必要です。
痛みが落ち着いてきたら、
- ゆっくりした歩行
- こまめな姿勢変更
- 軽いストレッチ(無痛範囲)
などを取り入れることで、治癒が早まります。
最後に
- ぎっくり腰は炎症+防御反応で起こる
- 睡眠は修復ホルモンと回復システムが働くため非常に重要
- ただし「横になり続ける」ことは回復を遅らせる
- 睡眠は必要だが、筋肉がゆるむとは限らない(むしろ起床時は固くなる)
- 正しい寝方+適度な動作が最も回復を早くする
- 誤解しやすい“安静”と“睡眠”の違いを知ることが重要
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