ばね指(弾発指)

「ばね指」というのは指の腱鞘炎のことで弾発指とも言われています。指を開く時に途中で一度引っかかって止まってから指が開くという特徴があり、患者さんは一様に「指がカクン、カクンする」と訴えます。

使いすぎが一番の原因と言われていますが女性の妊娠出産や更年期にも多いのでホルモンバランスも関係しているとも考えられています。治療としてはレーザーや超音波、お灸やマッサージや装具やテーピング等で半年を過ぎて変わらなければ手術というパターンになります。

よく考えて見ると指は普段から使いすぎなのは当たり前のこと。使いすぎが原因ならば年中ばね指になっていないとおかしいはず。でも年中ばね指にならないのは身体がそれに合わせて慣れているからでしょう。

ところがストレスによってホルモンバランスが乱れると変わってきます。ストレスによって自律神経も乱れます。そうすると体調も当然悪くなります。体調が悪くなると毎日身体をメンテナンスしている自然治癒力が低下します。すると普段使い過ぎているところは特に被害を受けやすくなるのでそこから痛みが出やすくなるのです。

出産後にばね指が多いのは子供が生まれたということによるストレスということが大きいのでしょう。ストレスというのはいつもと違うことが起きた時に強く感じて身体に変化が生じやすいのです。それから子供を抱くことが使い過ぎになるはずです。

個人的なことですが以前に「ばね指(弾発指)」になったことがあります。この業界はマッサージをすることが多いのでばね指になる人が多くてもおかしくないのですが周囲では聞いたことがありませんでした。

自分が「ばね指」になったのは病院から接骨院に転職してすぐ。どちらでもマッサージをメインにしていましたがやり方も特に変わるわけでもありません。今更使いすぎで「ばね指」とは考えにくく、考えられるとすると環境が変わったことストレスでしょうね。

そのまま放置していて環境に慣れたのでしょうか、結果1~2ヶ月で「ばね指」は良くなりそれ以後再発することはありません。

指が動くのは筋肉のおかげなのですが筋肉は直接骨について動かしているわけではありません。筋肉は途中で腱に代わって骨につきます。アキレス腱が有名ですが、あれは「ふくらはぎの筋肉→アキレス腱→踵の骨」という順番でついています。腱鞘炎の腱は「指の骨←腱←筋肉→腱→肘の骨」という感じでついています。

筋肉は使いすぎでも硬くなりますが環境の変化などのストレスでも硬くなります。筋肉は硬くなると縮むので相対的に腱は引っ張られて腱や腱鞘に炎症が起きたり腫れたりしてばね指になるのです。

ストレスがかかると筋肉が硬くなってばね指になることがあるというのはこのようなことなのです。それを治すにはストレスを減らす必要があるということも覚えておいてください。