歩き始めだけ足裏が痛い

足底腱膜炎と足底筋膜炎

立ち上がって歩き始めると足裏あたりが痛くなった事を経験したことがあります。或る朝起き上がって歩き始めた時10歩位だけでしたが足裏の部分に痛みが出たのです。

椅子から立ち上がって歩く時も同じように最初の10歩位は痛みがありました。激痛でもないのでそのままにしておいたところ自然に痛みは消失。そのようなことが過去に何回かありました。

これは一般的に「足底腱膜炎」もしくは「足底筋膜炎」の初期症状と言われています。

歩いているとそのうちに痛みは気にならなくなるけれど座ってまた歩き始めると痛くなるの繰り返し。足裏部分を押えると痛みがあっていつまでたっても治らない。朝方が特に痛みが強いような気がします。

一般的な治療

足裏の腱膜もしくは筋膜の炎症ということで大抵の治療は足裏におこないます。電気療法、マッサージ、テーピングとストレッチの指導、インソールの購入等になるのではないでしょうか。

インソールは花粉症で言うところのマスクと同じ。マスクは花粉の侵入を防ぐことができますが花粉症を治すわけではないので、花粉の終わる時期までのつなぎに過ぎません。

インソールも着地した時の衝撃を減らすので痛みを軽くすることはできますが、積極的に治すわけではなく足底が良くなるまでのつなぎに過ぎません。インソールはメインではなく補助的な役割であるということです。

考え方

よく考えてみてください。例えば足の捻挫やふくらはぎの肉離れになった時に10歩歩いたら楽になったということはありましたか?10歩歩いても100歩歩いても痛さが軽減することはありませんよね。これらの筋肉や靭帯等の軟部組織は炎症を起こしている場合は何歩歩いても痛みが楽になる事はないのです。筋膜や腱膜も同じです。

更に足首の捻挫は足を挫いた時、肉離れは走っている時に起きるので原因がはっきりわかるのですが足底腱膜炎は高い所から着地したわけでもなく硬いものを思いっきり踏んづけてしまったわけでもないのに或る日突然痛みとして出てくるのです。

では何なのでしょうか?

「歩き始めが痛い」というのは「最初だけ痛い」というのと同じです。似たようなことに腰痛でも「朝だけ痛い」ということがあります。ストレッチも最初は痛いですよね。これらは身体がほぐれてくると痛くなくなるという共通点があります。

つまり「最初だけ痛い」場合は筋肉の硬さが原因の可能性が高いのです。そのことから足底腱膜炎もしくは足底筋膜炎は炎症が起きているのではなく筋肉の緊張が原因であると考えられます。

ただし足裏に治療をしてもあまりよくなりません。筋肉の緊張が原因の場合は筋肉が緊張している部分と痛い部分は離れていることが多いからです。

では、どこに原因があるのかというと個人差はありますが下肢や殿部に原因があることが多いようです。そこの筋肉を緩めれば良い結果を得られることが多いので殿部へのストレッチ、保温、テニスボールでの押圧をやってみてください。