「ばね指」とは、指の腱鞘炎の一種で、正式には弾発指(だんぱつし)とも呼ばれます。
指を伸ばそうとすると途中で引っかかり、「カクン」と跳ねるように伸びる。そんな症状に悩まされる方が多い疾患です。患者さんはよく「指がカクカクする」「引っかかって痛い」と訴えます。
一般的な治療法とよく言われる原因
ばね指の治療は、以下のような方法が一般的です:
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温熱療法(超音波、レーザーなど)
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マッサージ
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装具やテーピングでの固定
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ステロイド注射
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6か月以上症状が続く場合は、手術を検討するケースもあります。
また、原因としてよく言われるのが「指の使いすぎ」ですが、実際に治療に関わっていると、疑問に感じることもあります。
指は年中使っているのに、なぜ突然?
指は日常的に使い続けている部位です。もし使いすぎが本当に主要な原因だとすれば、誰でも四六時中ばね指になっているはずです。
確かに、例えば初心者がいきなり毎日8時間ピアノを練習するなど、急激に負荷がかかれば発症するかもしれません。しかし、実際のばね指患者の多くは、特に新しい負荷をかけた覚えがない方です。
ホルモン・自律神経・ストレスの関与
女性では妊娠・出産後や更年期にばね指が増えることから、ホルモンバランスの変化が関与していると考えられています。
このホルモンの変動には、自律神経やストレスも深く関係しています。
特に出産後は、生活リズムの乱れや育児ストレスも重なるため、「指の使いすぎ」というよりは、「ストレスによる体の変化」が大きく影響していると私は考えています。
私がばね指になった理由は「使いすぎ」ではないかも
実は、私自身がばね指を経験したことがあります。
この業界ではマッサージなど手を使う作業が多いため、使いすぎで発症するのは不思議ではないのですが、周囲ではあまり聞いたことがなく、ある意味「他人事」でした。
しかし、私がばね指になったのは、病院勤務から接骨院勤務に職場を変えた直後のこと。
やっている内容は変わらず、マッサージ中心。新しいテクニックを習得したわけでもなく、指への負荷が急激に増えたとは思えません。
ではなぜ、ばね指になったのか?
私は明確に「ストレスが原因だ」と感じました。
職場が変わり、環境も人間関係も業務の流れもすべてが新しくなった。その心理的な負荷が、自律神経を乱し、体に影響を与えたと考えています。
事実、何の治療もせず、そのまま働き続けたにもかかわらず、1~2か月で環境に慣れてくると、ばね指は自然に治っていったのです。再発もしていません。
ばね指の構造とストレスの関係
指を動かす筋肉には、
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浅指屈筋
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深指屈筋
があります。これらは前腕にあり、腱を介して指に動きを伝えています。
腱は「ストロー」、腱鞘はその「ストローの袋」のようなもので、正しい方向に腱を導きながら、ずれを防いでいます。
しかし、筋肉が硬くなると、腱にたわみがなくなり、腱鞘と擦れやすくなります。この摩擦が続くと、腱鞘に炎症が起こり、腫れたり肥厚(分厚くなる)したりして、腱がスムーズに通れず引っかかりが発生します。これがばね指の正体です。
前腕の筋肉とストレスの深い関係
筋肉は使いすぎでも硬くなりますが、ストレスによっても硬くなることをご存じですか?
ストレスがかかると自律神経の交感神経が優位になり、血管は収縮し、筋肉は緊張します。
前腕の筋肉は自律神経の影響を受けやすい部位で、ストレスがかかると硬くなりやすく、その結果、屈筋腱が腱鞘とこすれやすくなり、ばね指の引き金になるのです。
そして先ほどの浅指屈筋と深指屈筋は交感神経の影響が強い前腕の筋肉なのです
早期なら自然に治るが、慢性化には注意
炎症が早期に治まれば晴れも治まるので、腱鞘の内腔も元に戻り、ばね指は自然に治ることもあります。
しかし、炎症が長引き、腫れが瘢痕(組織変性)に置き換わってしまうと、腱鞘が狭くなったままとなり、症状が慢性化することがあります。
ストレスもばね指の「見えない原因」
私の体験からも感じることは、
「ばね指は使いすぎだけが原因ではない」
「ストレスや自律神経の乱れも、発症と回復に大きく影響する」
ということです。
ばね指に悩んでいる方は、指を休めることに加えて、ストレスのケアや生活リズムの見直しも、
非常に大切です。
ばね指の原因・症状・セルフケアについての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください:
ばね指の原因と対策
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