腰痛になった時に仕事内容を聞かれる理由

職業ではなく仕事内容を知りたい理由

初めて来院された患者さんに、 「仕事では座っていることが多いですか?それとも立っていることが多いですか?」 とお聞きすることがあります。 「なぜ仕事のことまで聞くの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実は、職業そのものが知りたいわけではありません。当院が知りたいのは、普段どのような姿勢や動作をすることが多いのかということです。

例えば銀行員でも、窓口業務で立っていることが多い方もいれば、事務作業で座っている時間が長い方もいます。営業で歩き回っている人もいるでしょう。同じ職業でも身体への負担は大きく異なります。

つまり「どんな仕事ですか?」と聞くのは、「座ることが多いのか」「立つことが多いのか」「歩くことが多いのか」を知ることにより、その人の負担になっている部分と現在の症状との間に関係があるのかを知る手がかりの一つとなるからです。

生活習慣の中でも仕事は大きな割合を占めています

腰痛や肩こりなどの症状は、一つの原因だけで起こるとは限りません。 その原因の中で大きく関わる生活習慣について考えてみましょう。

  • 食事
  • 睡眠
  • 運動不足
  • 精神的なストレス
  • 内臓の状態
  • 長時間の同じ姿勢
  • 同じ動作の繰り返し

など、さまざまな要素があります。

睡眠を7時間とすると、起きている時間は17時間です。そのうち通勤時間も含めると、810時間を仕事に費やしている方も少なくありません。つまり、起きている時間の半分以上を仕事に費やしていることになります。 そして大事なことは、多くの生活習慣は仕事を中心に組み立てられているということです。

なぜ仕事が痛みの原因になるのでしょうか?

では、なぜ仕事が身体へ負担をかけるのでしょうか。

本来、人間の身体はさまざまな動きをするようにできています。しかし、仕事では自分の意思とは関係なく、同じ姿勢や同じ動作を何時間も続けなければならないことがあります。その結果、特定の筋肉ばかりに負担が集中し、筋肉のバランスが崩れやすくなります。

これは腰痛だけではありません。肩こりや頭痛、股関節や膝の痛み、足のしびれなど、筋肉が関係している多くの症状にも共通していると考えています。

当院では身体をピサの斜塔に例えて考えることがあります。

ピサの斜塔は土台に問題があるため、上へ行くほど傾きが大きくなっています。人間の身体は柔らかい構造なので斜塔のように一方向へ傾き続けることは少なく、バランスを保とうとして前後や左右で補い合っています。しかし、土台に問題があるという点では共通しています。

そのため当院では、立つことが多い方であれば足から、座ることが多い方であれば足だけでなく椅子と接している骨盤周囲から身体を確認することが少なくありません。

もちろん、仕事だけで原因を決めつけることはありません。症状が出た時期や身体の動き、筋肉の状態など、さまざまな情報を総合的に判断します。

しかし、仕事の内容は原因を探るための大切なヒントになります。 問診で仕事についてお聞きするのは、世間話ではありません。皆さんの身体に毎日どのような負担がかかっているのかを知り、より適切な施術につなげるための大切な質問なのです。

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