Last Updated on 2024年11月24日 by sakura
慢性的に腰痛のある方は就寝時に仰向けでは痛いので横向きになって寝ているということをよく聞きます。仰向けになると腰が痛くなるのはぎっくり腰でも慢性腰痛でも非常に多いです。その場合には両膝を立てると軽減することが多くみられます。
不思議なことは腰は動かしていないのに股関節と膝関節を伸すと腰が痛くなって、曲げると痛みが軽減するということ。仰向けで膝を伸ばしていると腰が辛いのは硬くなっている股関節の筋肉が伸ばされるからで、膝を立てると腰が楽になるのは硬くなっている股関節の筋肉が緩むからです。腰痛が腰だけが問題ではないということがわかります。
話は変わりますが以前は腹筋運動をする時には仰向けで膝を伸ばして起き上がっていましたが今では推奨されていません。この腹筋運動では起き上がる時に使うのは股関節を曲げる筋肉であって腹筋のトレーニングにはなっていないというのと腰を痛めやすいという理由のためです。そのため今は膝を立てて腹筋運動をするようになっています。
腹筋以外の筋肉とはどこなのか、どの筋肉を痛めるのかと言うと大腰筋です。腰から足にまでつながっている筋肉はこの筋肉しかないのです。つまり仰向けになって膝を伸ばすと腰が痛いと言うのは大腰筋が硬くなっているからです。だから仰向けになって腰が痛い人の場合は大腰筋を緩めていくということになります。
今のは筋肉を中心として見た場合でしたが骨盤を中心として見た場合は次のようになります。大腰筋は硬くなりすぎると骨盤を前傾させ結果として反り腰になります。この状態で仰向けになると重力の問題もあって前傾を元に戻す、もしくは反り腰を軽減させる方向に働くのでやはり大腰筋が伸ばされて痛くなるというわけです。
ただし全てが大腰筋であるというわけでもありません。このような場合は大腰筋以外の骨盤を前傾させる筋肉というものを探して緩めていくということになります。
セルフケアとしては大腰筋のストレッチやマッケンジー体操をするといいでしょう。