Last Updated on 2026年3月16日 by sakura
はじめに
「腰痛を予防するために、やっぱり腹筋とか背筋は頑張った方がいいんですかね?」
これ、うちに来られる患者さんからも本当によく聞かれる質問なんですよ。
世間一般的にも、病院や他の接骨院さんでも「天然のコルセット(筋肉)を鍛えなさい」なんて勧められることが多いですからね。そう思うのが普通かもしれません。
「筋力不足=腰痛」という考え方について
よく言われるのが、「筋力が足りないから腰に負担がかかって痛むんだ」という流れですよね。でも、長年この仕事をしていて思うんですが、腰痛になった人全員が本当に筋力不足なのかというと……実は、ちょっと疑問に感じているんです。
たとえば、ずっと運動をしていた人が急にやめれば、確かに筋力は落ちます。でも、日常生活が送れなくなるほど一気に落ちるなんてことは、そうそうありません。
もし本当に筋力不足だけが原因なら、腰だけじゃなくて体中のあちこちに不調が出てくるはずなんですが、実際には「腰だけが痛い」という方が圧倒的に多いんですよね。
運動をしていない人でも腰痛になる理由
普段あまり運動をされない方でも、普通に歩いたり生活したりできているなら、その方にとって「最低限必要な筋力」はちゃんと備わっているはずなんです。
ですから、私は「筋肉の量が足りないから腰痛になった」と決めつけてしまうのは、少し無理があるんじゃないかな、と考えています。
私がずっと注目している「筋肉の硬さ」の話
それよりも私が現場で多く見かけるのは、筋肉の量はあるんだけど、その筋肉が「ガチガチに硬くなっている」という状態です。
筋肉が硬くなってしまうと、こんな困ったことが起きやすくなるんですね。
- 動かしたときに、無理やり引き伸ばされて痛みが出る
- 硬い筋肉がホースを潰すように血管を圧迫して、血の巡りが悪くなる
要するに、筋肉は「そこそこある」のに、硬くてうまく「使えない」状態になっている。これが腰痛の大きな原因になっているケースが、経験上とても多いんです。
筋トレを始めるタイミングについて
もし筋トレをされるなら、タイミングが大事かもしれません。
ガチガチに硬い状態で無理に鍛えるより、まずは筋肉を緩めて「本来の動き」を取り戻してあげる。そうすると、眠っていた筋力が自然と発揮できるようになります。筋トレを頑張るのは、そのあとからでも全然遅くないですよ。
ですので、当院では腰痛予防の第一歩として、まずはストレッチで緩めたり、テニスボールなどを使って「トリガーポイント(痛みの引き金になる硬い塊)」をほぐしたりすることをお勧めしています。
なぜウォーキングを勧めているのか
あともう一つ、軽い運動としてウォーキングもお話しすることが多いです。
これには理由があって、歩くことで腰と関わりが深い「股関節」の周りをじっくり動かせますし、全身の血行も良くなりやすいんですね。
それに、歩いている時間って、日常の忙しさやストレスから少し離れられるじゃないですか。そうすると、リラックスを司る「副交感神経」が優位になりやすい。
自律神経と腰痛の意外な関係
実は腰痛を抱えている方は、知らず知らずのうちに緊張状態(交感神経が優位な状態)が長く続いていることが少なくありません。
自律神経のバランスが整ってくると、全身の余計な力がスッと抜けて、結果として腰痛が起きにくい体につながっていく……そんな良い循環が生まれることもあるんですよ。
まとめとして
腹筋や背筋を鍛えることが、決して「悪い」わけではありません。
ただ、もし今お体に痛みがあるのなら、筋力をつける前に「今の筋肉がちゃんと動ける状態にあるかな?」と、一度立ち止まって見直してあげることが大切だと、私は思っています。
[腰痛に戻る]