鍼灸気功の治療の考え方
以前に個人のブログで記載したものです。
治療という言葉を調べると病気やけがを治すこと。
もしくはその症状を治癒、軽快にさせる為の医療行為と表現されていました。
私はここで「治」と「療」について字統で調べてみました。
治(おさめる)
台は耜(すき,農具のこと)の形であるム(し)に祝詞を収める器の形である口を加え、
耜を祓い清める儀礼を示す。
治は水を治める儀礼をいう字。
まず農具(耜)を清めることが、秋の害虫を防ぐために必要とされていました。
水を治める(治水)とは河川の氾濫を防いだり水運や灌漑
(農作物を作成するために耕地に水を与えること)の便をよくしたりすること。
療(リョウ・いやす・なおす)
療は篆文では尞が楽の字となります。
この楽は柄のある鈴の形。
古い治療法を示す字。
古くシャーマンが巫医(ふい)であった時代に鈴を振って病魔を祓って病気を治した。
のちにそのような巫医的な方法が失われて、療となる。
疒(だく)は牀上(しょうじょう,床の上)に病気で寝る人の形。
これらの意味を人体に置き換えて考えてみると、
耕地という身体の中に河川という気血が流れる通路があり、
治水という治療によって気血の通路が氾濫したり、
流れが滞らないように調整していくのが治という意味になるのではないかと考えています。
療とは術者と受療者の間に生じる癒しではないかと私は思います。
身体を清める道具はいろいろと考えられますが、
身体の栄養となる食べ物が清められているということが大事ではないでしょうか。
私はこの言葉の意味を念頭におきながら治療を施していきたいと思います。
参考文献
大辞林 三省堂
デジタル大辞泉 小学館
字統 白川静
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