東洋医学的な鍼灸と西洋医学的な鍼灸

以前に電話で「そちらでは○○式マッサージをやっていますよね。」という問い合わせがありました。それはその先生が命名したマッサージ法なので当院ではわかりかねますと断ったのですが、どうもどこの治療院でも○○式マッサージをおこなっているものだと思い込んでいるようでした。

これはマッサージに限らず治療業界にはよくあること。自分が学んできたことを体験したことをミックスして自分流の治療法を確立して発信していくのです。

鍼灸の業界でもそのように様々な流派にわかれていますが源流としては西洋医学的な鍼灸と東洋医学的な鍼灸に行きつきます。どの方法が正しくてどちらが正しくないというのはありません。こういう考え方や方法がありますよということを知っておいたほうが損はないと思います。

ここでは大雑把ですが東洋医学的な鍼灸と西洋医学的な鍼灸を考えてみたいと思います。鍼灸治療というのは簡単に言うと「体調不良の結果として特定の経穴に反応が現れる。」ので「経穴に鍼灸をおこない経穴の反応を解消すれば体調不良も解消する。」ことです。

これを東洋医学的な考え方をすると「気の流れが悪くなるために痛みが起きるので、気の流れを良くするために鍼灸をおこなう。」つまり、気の調整をするために鍼灸をおこなっているのです。当院の鍼灸気功治療はこちら側になります。

一方、西洋医学的な考え方では「筋肉や神経」を重要視します。例えば「筋肉が硬くなることによる血行不良で痛みが起きるので、筋肉を緩めるために鍼灸をおこなう。」「自律神経の乱れによって痛みが起きるので、自律神経を整えるために鍼灸をおこなう。」等。

つまり、筋肉を緩めたり、自律神経を整えるために鍼灸をおこなっているのです。どちらにしても治療は最終的には治療家の感覚になりますのでそれほど差はないと思います。