一回で治りますか?
「一回で治りますか?」ということを聞かれることがあります。これは塾に行って「今日勉強をしたら明日の試験に合格しますか ?」と言っているのと同じなのです。中には合格する人もいるかもしれませんが、ほとんどの場合は計画的にコツコツと積み上げていかないと結果は出ないものなのです。
痛みは登山と似ている
痛みは登山と似ていて頂上に登ってから降りてくるもの。例えば急性疾患であるぎっくり腰の場合、最初の3日間位までは痛みは悪化することが多く、痛みがピークまで行っていなければ施術をしてもさらに痛みは強くなる可能性があります。
病院では
例えば腰痛で病院に行った場合薬と湿布を1~2週間分処方されるかもしれません。その場合は薬や湿布が接骨院で言うところの施術になるので病院には通わなくて良いのです。
ところが接骨院では薬も湿布もありませんので手技療法や電気療法等の施術をおこないます。そのため続けて通う必要があるのです。
施術の意味
それならば施術に意味はないのかと思うかもしれませんがそんなことはありません。「痛みが山を登り続けるのを中止することはできない」のですが荷物を持ってあげることはできるのです。
荷物を持ったからといって痛みが楽になるかどうかはわかりませんが、少なくとも歩く速度が上がるので目的地への到着(回復)が早まるのです。
慢性的な痛みの場合
慢性的な痛みの場合はどうでしょうか。
慢性的な痛みは痛みが変わっていないということなので言い換えると下山中に迷子になった状態と似ています。この場合は帰りのルートが見つけ出せれば痛みの軽減は早くなります。そのルートを見つけだすのが施術の役割になります。
理由
一回で良くなったことはありますよという方もいるとは思います。
治療する側からするとそのようなことは普通に経験していますが基本的には一回では良くならないとお考えください。
何故かと言うと荷物を持ってもらったとしても、帰りのルートがわかったとしても最後は自力で下山するしかないからです。下山する力(自然治癒力)がないと帰れない(痛みが治まらない)のです。
当院の方針
当院では最初から1回で良くしようと考えて治療はしていません。1回で良くしようとすると刺激が多くなり特に急性期のものに関しては悪化する可能性が考えられるからです。その人の経過を見ながら複数回かけて治していくという考え方です。