Last Updated on 2024年8月6日 by sakura
寝違えとは
首の痛みで最も知られているのは寝違え。起床時から首の動きの制限と痛みが主要な症状です。動かして痛みがある時は骨か筋肉を疑うのが普通ですが、寝ている間に骨がどうにかなることはないでしょうからほぼ筋肉で決まりです。
寝ている間は身体が動かないことや体温が下がることにより筋肉が硬くなり血行不良から痛みを引き起こす、もしくは硬くなった筋肉に気がつかないままいつも通りに首を動かして筋肉を痛めてしまうというのが寝違えの流れになります。
なぜ首だけに?
ここで疑問が生じます。寝ている時に筋肉が硬くなるのは首だけではなく全身のはずですが、何故首だけが被害にあうのかと考えると上記の原因だけでは説明がつきません。
構造的な問題
人間の身体は頭頚部、体幹、四肢の3つに分けられ、その境目である頚部、肩関節、股関節もしくは肩甲骨、骨盤部分に最も負担がかかります。そのためどうしても頚部と腰部と肩部に症状がでやすくなるのです。
起床時
寝違えは痛みで目が覚めるというよりも、目覚めて動かしたときに痛みに気が付くというのがポイント。似たようなものにはぎっくり腰と筋肉痛があげられます。ただぎっくり腰と筋肉痛は原因を前日の行動に求めることが多いのですが、寝違えは寝ている時に原因を求めることが多いのではないでしょうか。
これは重いものを持ったから腰が痛くなった、昨日久しぶりに運動したから筋肉痛になったというような明確な出来事が首にはあまりなく、思い当たる節が枕や寝相の問題しかないからであり、またそのような情報が蔓延しているというのが大きいようです。
これはあまり正しくないと考えています。一般的に寝違えになると枕を疑うことが多いようですが、枕を使い始めたばかりならともかく、たまに寝違えになったからと言って何年も使っている枕のせいにするのはどうでしょうか。
枕が合わなくなってきたというよりも自分の体が枕に合わせられない状態になってきたというのが無理のない考え方。枕の購入を考えるよりも身体のケアを先に考えましょう。
姿勢
実は気が付かないだけで首の痛みにも思い当たる節というのがあります。筋肉は身体を動かす時だけではなく姿勢を維持する時にも使うということがそれに当てはまります。
電車の中で頭を垂れて眠ってしまったもしくはそのような人を見た経験はないでしょうか?頭を支える筋肉が脱力してしまうとあのような状態になります。
頭を起こしているということはそれだけで首周囲の筋肉を常に使っているという状態、特にパソコンやスマホ、TV、運転等で長時間同じ姿勢を続けるということが知らないうちに首の筋肉を酷使しているのです。
自然治癒力
人間には筋肉が疲労しても修復する能力があるののですが、ストレスにより修復する能力が落ちた状態が続くと筋肉の硬さが取れなくなり一番弱っている部分(構造的な問題で特に首腰)から痛みが出ます。
ストレスと筋肉の疲労は寝ている時より起きている時によりかかるものなので、寝違えは起きている時の問題の方が大きいのです。
治療
寝違えが起きた時は首の痛みだけに捉われるのではなく全身にも問題があると考えるべき。特に治りが悪い場合や年に何回も繰り返している場合はどこかで見てもらうようにしてください。