温めるべきか?冷やすべきか?
「温めた方が良いか、冷やした方が良いか」はよく聞かれる質問です。
炎症を起こしている時におこなわれるものにRICE処置というものがあります。RICE処置とは安静、アイシング、圧迫、挙上をおこなうということ。一番の目的が止血でそれによって腫れや痛みが軽減して治りを早くします。
例えば足の捻挫の場合、アイシングしてから包帯を巻き、家では枕の上に足を乗せて上に挙げておくように指導されると思います。これがRICE処置です。
ぎっくり腰でもアイシングをしてコルセットや安静等のRICE処置をおこなうところが多いと思われます。これは腰の筋肉が傷ついて出血して炎症が起きていると考えているからです。
ところがぎっくり腰では以前のように積極的な安静というのは勧められなくなり、動ける範囲で動いていた方が治りが早いと言われるようになりました。
筋肉が痛みを起こす原因は筋肉が損傷した場合と筋肉が緊張した場合の二つがあります。
単純に筋肉が傷ついているなら動かすと傷口がくっつきにくくなるので安静が勧められるはず。足首の捻挫や肉離れの場合に動かした方が治りが良いなんて言われないですから。
ぎっくり腰は動いた方が良いというのであれば動いている方が緊張している筋肉が緩んでくるからと考えられます。つまりぎっくり腰は筋肉が緊張して硬くなったのが原因であるということなのでしょう。そう考えると冷やすより温めた方が筋肉が緩むはず。ぎっくり腰の初期は温めた方が良いとも言えるのです。アメリカの内科学会の腰痛のガイドラインでも温熱は推奨されていても冷却のことは書かれてもいません。
とはいうものの筋肉が傷ついている場合もあるでしょう。なので両方やってみて楽になる方を選ぶのが無難です。
これは初期の話で痛みがピークを過ぎたら温めるようにしてください。