ぎっくり腰の対処法

はじめに

ぎっくり腰は五十肩やテニス肘と同じ俗称であるため定義というものがありません。あえて定義すると筋肉等が原因による動作時に痛みが増強する急性腰痛になるでしょうか。

当院に来院される方は殆どこの定義に当てはまりますが以下のような方は注意が必要です。

  • 60歳以上の方

  • 20歳未満の方

  • 腰痛以外の症状も出ている場合

  • じっとしていても動かしても痛さの程度が同じ場合

この場合は筋肉以外が原因の可能性が他の人よりも高くなるため病院に行くようにしてください。

ぎっくり腰の分類

前に曲げると痛い

ぎっくり腰は洗顔時や靴を履くときなど前屈みになった時に起きることが多く、そのような時に最も考えられるのは筋肉。殆ど前に曲げられないのであれば臀部、手が床に近づけば近づくほど大腿後側から下腿後側の筋肉が関与してきます。治療方針としては硬くなった筋肉を緩めていくということになります。

腰が伸びない(後ろに反ると痛い)

「腰が伸びないぎっくり腰」は椅子から立ち上がる時に発症することが多く、身体が少し丸まった状態で来院されます。「椅子に座っている時は腰は痛くはない」「仰向けが辛い」という特徴もあるのですが、一番の訴えは腰の痛みよりも「腰が伸びない」ということ。

「腰が伸びない」のは腰部のインナーマッスルである大腰筋が縮んでしまったためであることが多く、この筋肉を緩めることによって丸まった状態を軽減させることが可能となります。1回の治療で腰が伸びることが多いのですが(痛みは残る)、痛みが気にならなくなる迄には1~2週間かかることが多いです。

自宅では仰向けになって両膝を立てて左右にゆっくり倒す動作を左右5回ずつおこなってください。

前に曲げても後ろに反らしても歩いても痛い

筋肉が硬いのが原因のぎっくり腰であれば前屈だけ痛い、後屈だけ痛いと言う様に一方向に曲げた時に特に痛みが強くなる傾向がありますが、中には前に曲げても後ろに反らしても歩いても同じように痛いという場合があります。

この場合は筋肉が硬くなっただけではなく、筋肉や周囲の組織が傷ついている可能性があるので修復されるまでには時間がかかることが多いです。

例えて言うと筋肉が硬くなって起きる腰痛は筋肉痛に近く、筋肉等が傷ついて起きる腰痛は足首の捻挫に近いと言えます。そのため筋肉が硬くなって起きる腰痛は安静にする必要はありませんが、傷ついている腰痛は無理をせずに安静の方が良いでしょう。

自宅では仰向けになって両膝を立てて痛くない範囲で左右にゆっくり倒す動作を左右5回ずつおこないます。寝る時は横向きで抱き枕があればそれを使い、無ければ布団などを縦に丸めて抱き枕の代わりにして使うようにします。

原因

ぎっくり腰の原因で重要なのはそれまでにぎっくり腰になる下地が整っていたということで、「重いものを持って」「下の物を拾おうとして」というのは駄目押しに過ぎません。特に筋肉の使いすぎによる疲労とストレスの影響が大きく関係します。

筋肉の疲労

筋肉は使いすぎると疲労により硬くなって痛みを生じますが、その中でも「骨盤後傾と猫背のセットで座っていること」が最も大きな原因と考えています。特に気が付くと何時間も経過しているパソコン等の事務仕事はずっとそのような姿勢を続けているので硬くなりやすいのです。

ストレスによる全身の影響

ストレスや体調不良等で自律神経が乱れると様々な症状が出ますが、全身の筋肉が硬くなるのもその一つ。筋肉が硬い状態が続けばそのうちに一番弱っている部分(使いすぎている部分)から痛みを発します。

治療法

当院の治療は保険治療か整体治療か鍼灸気功治療の3つの中から患者さんの希望するものをおこないます。

ぎっくり腰は数日間が痛みが強くてそれ以降は軽減していくというように経過がある程度明確です。経過が明確であれば例えば最初の1週間は毎日通って2週目は1~2日おきにしてというように治療計画が立てやすくなります。風邪をひいたら毎日薬を飲むのと同じでぎっくり腰も毎日治療した方が良いので詰めて通えるのであれば保険治療の方が向いています。

ただし保険治療には重大な欠点があります。ぎっくり腰は「腰の筋肉の使い過ぎ」と「ストレスによる全身の問題」の両方が重なって起きるため、ストレスが強い場合は腰にしか治療ができない保険ではあまり効果が出ないことも。そのような場合はどうしても全身を見ていく自費治療が必要になります。

忙しくて間隔を詰めて通えない人は全身の影響を考慮している整体治療か鍼灸気功治療が良いでしょう。症状がぎっくり腰単独であれば整体治療、ぎっくり腰以外にも複数の症状が以前からある人は鍼灸気功治療が向いてます。頻繁にぎっくり腰になっている、保険治療で効果が見られない、整形外科や他の接骨院・整骨院で治療を受けている人も同様です。

注意すべきもの

ぎっくり腰の大部分が筋肉によるものですが、以下のような場合は筋肉以外の可能性が高くなるので病院に行くようにしてください。

  • 60歳以上の方
  • 20歳未満の方
  • 腰痛以外の症状も出ている場合
  • じっとしていても動かしても痛さが同じ場合

その他

  • コルセットをお持ちの方は付け方の確認をしますのでお持ちください。
  • できる範囲でのストレッチや体操やツボもお教えします。
  • 初期の痛みの強い場合は微弱電流を使います。

完全予約制

ぎっくり腰では待合室での待ち時間は非常につらいものがあります。自宅であれば痛いなりに動いたり寝転がったりできますが待合室では人の目もあってそれもできません。その点当院では完全予約制なので待つことなくすぐに治療を受けることができます。

お問合せ

症状や治療内容等のお問合せの方はこちらからでも電話でも受付しています。初めてご予約される方は電話でお願いします。2回目以降は電話でもネット予約でもOKです。